ガンダムSEEDブランド
aveさんが日記のほうでも触れている「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の
制作スタンスがSONYのスタンスに似ているという指摘は興味深いと思いました.
両者を比較するにあたって,注目すべきなのは
SONYのブランドと,ガンダムというネームバリューが並べられている点です.
ブランドの持つ力というものが,物を売る上で絶大な力を発揮することは,
いまさら私が言うことでもないと思うのですが,
あえて何がすごいかを言うならば,
例えばそのブランド名がついているというだけで売れてしまうあたりでしょう.
ただ,本来ブランドとは,商品自体の性能や質が高いことに裏打ちされたものであって,
名前だけで購入を決めることができるのは
名前がそういったクオリティを半ば保証するものであるからだと思うのです.
ゆえにブランドとしては,
確立すること以上に,そのクオリティを維持していくことに細心の注意と,
最大限の努力を行うべきであるはずだと,私は思います.
これを「名前だけついていれば売れる」と勘違いして
クオリティの維持に注意が行かなくなり,努力も怠ることになれば,
当然ブランドのイメージは崩れていくでしょう.
こういったことは感覚的には分かるのですが,
一般的にはどのように定義されているのか気になったので調べてみました.
すると,こんなサイトが見つかりました.
他にも解説しているサイトをいくつかめぐったのですが,
ブランドとは,一言で言い表せるものではなく多義的な要素から
定義されるということが分かったので,
(それゆえに感覚的な認識しかなかったのでしょう)
思い切って関連する用語を調べたほうが定義をつかみやすいことに気が付きました.
リンク先にある「顧客の頭の中の預金口座」という項目を見ると
ブランドを的確に言い表した表現として次のように書かれています.
<顧客の頭の中の預金口座>
顧客の頭の中にブランド名義の預金口座がまず開かれ、 感動、満足を得た時に入金され、不満、失望を感じた時に出金されます。 強いブランドを作るということは 多くの顧客の預金口座残高を企業の活動(チャネルも含む)を通じて増やすことです。
また,同サイトにはこんな用語解説もあります.
<ブランドの危機>
商品に有毒な成分が混入したり、製品に欠陥があったりして不良品が市場に出てしまい、 消費者の期待を裏切る事態になるとブランドの危機を招来します。 重要な点はこうした事態が判明した時点で、 不良品の回収と改善を速やかに行うこと、 消費者に情報をできるだけ早く伝えることです。 この対応を的確に行えば、ブランド・エクイティ、 「ブランド名義の顧客の頭の中の預金口座残高」を維持するか、 場合によってはかえって増やすことができます。 その成功例が1982年の「タイレノール事件」です。 反対に失敗したのは1990年のぺリエ事件。 その後ぺリエはネスレに吸収されました。 日本でも雪印、三菱自動車などの失敗例があります。
SONYの業績不振は市場のニーズを読みきれなかったことが
大きな要因とされていますし,製品自体の質が悪くなくとも感動を得られなかった,
或いは斬新さのない製品に不満を感じた,というところでしょう.
さて,こうしたブランドを定義する要素を
「機動戦士ガンダムSEED」に当てはめるとどうでしょうか.
まず,私が前述した,ブランドの認識例に照らし合わせると・・・
・ガンダムという名がついているだけで売れてしまう部分がある
・ガンダムのネームバリューとは,過去のガンダム作品の質が高いことに
裏打ちされたものである
・名前だけで視聴を決めることができるのは名前が
クオリティを半ば保証するものであるからである.
・ガンダムの名を持つからには,ガンダムとして確立すること以上に,
そのクオリティを維持していくことに細心の注意と,最大限の努力を行うべきである.
・・・というところでしょう.
何だかこの時点で雲行きが怪しいような気がしないでもないのですが,
これはあくまで紅髪個人のブランドに対するイメージに照らし合わせた場合なので,
先ほど紹介したサイトの用語に照らし合わせてみます.
<顧客の頭の中の機動戦士ガンダムSEED預金口座>
顧客の頭の中にガンダムSEEDの預金口座がまず開かれ、 感動、満足を得た時に入金され、不満、失望を感じた時に出金されます。 強いガンダムSEEDブランドを作るということは多くの顧客の ガンダムSEED預金口座残高を企業の活動(チャネルも含む)を通じて増やすことです。
<ガンダムSEEDブランドの危機>
ガンダムSEEDブランドに有毒な成分が混入したり、 ガンダムSEEDブランドに欠陥があったりして不良品が市場に出てしまい、 消費者の期待を裏切る事態になるとガンダムSEEDブランドの危機を招来します。 重要な点はこうした事態が判明した時点で、不良品の回収と改善を速やかに行うこと、 消費者に情報をできるだけ早く伝えることです。 この対応を的確に行えば、ガンダムSEEDのブランド・エクイティ、 「ガンダムSEEDブランド名義の顧客の頭の中の預金口座残高」を維持するか、 場合によってはかえって増やすことができます。
この際,
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に
有毒な成分が混入していたかどうかや,
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が不良品だったかどうかは,
言及しないことにします.
もしそうだとしたら消費者の期待を裏切る事態になって
ガンダムSEEDブランドが危機を招来するだけです,