blog勇退はありうるか


しゃかもさんが今月いっぱいでblogの更新をおやめになられるということで
その決心が載せられた日の内容から昨今のblogブームなどを含めた
テキストサイトについての考察なんぞを書いてみようと思います。


> 消さずに放っておくかもしれませんが、更新はblog含めてやめます。
> たいした理由なんて無いですが、CG更新するわけでなく、写真更新するでなく、
> ガンプラ適当に乗せてるだけでしたし、未練はまったく無いのですよ。
> 日記にしても、更新は全然苦じゃないですが、義務的になってましたし、
> 言いたい事が書けない場所にもなってしまっていました。
> 反応もらえる話を書かないのが悪いわけですが、
> 毎回コメント0もその都度さびしいですしねw
> ログが保存できるなら、後に振り返る思い出として取って置きたいですが、
> あいにくソネットブログにその機能はないんですよねぇ。
> 今後は内緒で別のサイトを新設しようと思ってます。
> かっこよくしたいけどなー。無理だろうなー。
> あわてる必要は無いので、ぼちぼちやろうかな。


学部時代、大学ではjimaさんとしゃかもさんと私の3人で一緒にいたので
それなりに人となりを知っている身としては、
やめる決心に関して特に驚きはありませんでした。
まわりが引き止めにつかう言葉で思い直すくらいなら
そんなことを言い出さないように熟慮するのがしゃかもさんです。


さて、それはさておき興味深いのは後半部分です。


> 日記にしても、更新は全然苦じゃないですが、義務的になってましたし、


blogというシステムによってWEB日記が大幅に増加したことは
私個人としては「歓迎すべき時代の到来」といっていいくらい
ありがたい話だと思っているのですが、
急激な資本主義の広がりによって貧富の差が大きくなったように
急激にシステムの普及が進むと、
それについていける者とそうでない者が現れてきます。
パソコンやインターネットなどの情報技術(IT)によって生じる格差を
デジタルディバイド」といいますが、
blogに関してもその一端を垣間見ることができると思うのです。


HTML云々が分からない人間でも
WEB上にテキストをアップできるようになったことは
結果的に世の中に出回るテキスト量を大きく増やし、
色々な人の考え方を世に送り出すことが出来るようになったことを意味します。


つきつめていうならプログラムの仕組みが分からない人でも
情報の発信が出来るようになったということなのですが、
どうもそのへんの経緯が非常に急激な変化だったせいか、
私も含め順応に困る部分があります。


そもそも私は「blog≠日記」だと思うのです。
前述したように「HTML云々が分からない人間でも
WEB上にテキストをアップできるようになった」からといって
WEB上に日記をアップしなければならないと考えるのは
おかしい気がします。


自分が運営したいサイトが日記サイトならともかく、
個人の情報発信原としての位置づけでしかないのなら
定期的な更新は必要であっても日記である必要は無いと思うのです。


例えば今やblogの標準フォーマットになっている
「カレンダー」機能も、
日記を書くために設定されたのではなく、
記述内容のログ(履歴)を把握するために設定されて、
たまたまそれが日記の形に適していただけだと思うのですが、
そういった経緯を思いつかない人にとっては
あたかも日記を書くための仕様に見えるはずです。
記述した日としていない日とが色違いで表示される機能も
よく見かけますが、
あれもログの把握のためであって
「この日はお前、日記かいて無いだろ!」と脅迫するためのものではないのです。


> 言いたい事が書けない場所にもなってしまっていました。
> 反応もらえる話を書かないのが悪いわけですが、
> 毎回コメント0もその都度さびしいですしねw


結果的に義務化を強いられているような気になってしまうのは
やむを得ないような気がします。
それこそまじめな人であればあるほどその傾向にあるのではないでしょうか。


私自身、それほどまじめではないですが、
blogが「言いたい事が書けない場所」になっていく様は
時々感じることがあります。


トラックバックの機能はもちろんのこと、
手軽に開設できることから身内に紹介することが容易になるため、
サイトの来訪者を招きやすい反面、
それらの人たちすべてを想定した内容の記述を意識せざるをえなくなります。
リアルでも付き合いのある人と、
ネット上だけで付き合いのある人の区分けだけでも
記述の自由度が大きくせばまることは、blogをやったことのある人なら
すぐにでも感じることでしょう。


よく私は、リアルでも親交があって
サイトのことも知っている人から
『アニメ・ゲーム関連の話題が控えめだね』と言われますが、
私のサイトを見に来る人というのは
そういう話題に免疫がある人ばかりではないのです。


もちろんそういう話題だけをディープに語るというのも
サイトの運営方法ではあります。
そのほうがきっとコメントも増えることでしょう。
しかし、私はそういうことのためにblogを使用したいと
考えたわけではないので今のままでいいと思っています。
コメントがなくてもリンク元から見に来てくれている人の想像はだいたいつきます。


> ログが保存できるなら、後に振り返る思い出として取って置きたいですが、
> あいにくソネットブログにその機能はないんですよねぇ。
> 今後は内緒で別のサイトを新設しようと思ってます。
> かっこよくしたいけどなー。無理だろうなー。
> あわてる必要は無いので、ぼちぼちやろうかな。


私はしゃかもさんのblog撤退が小気味よく思えたのは
この最後の一節ゆえだと思っています。


どんなにblogが広く普及したところで
それが必ずしも自分のスタイルに合うとは限りませんし、
機能で「ここがこうならなー」という部分は必ずあるでしょう。
一番自分に似合ったサイト運営を追い求めるのも
また大事なことだと思うのです。


「気に入ったページの管理人が
実はリアルでも親交のある人だった」という展開も、
ドラマチックでいいんじゃないですかね。


ともあれ、しゃかもさんお疲れ様でした。