言霊使い


最近、どうにも「普通のセリフ」がツボに入ってしまうことが多いです。


その意味でやたらとネタを提供してくれるのが、
私の指導担当教授様。


業界においてはかなり知名度のある方で、
研究内容について検討するときの
眼力とオーラに関しては慣れないと太刀打ちできないものがあるのですが、
それだけにギャップのある、
フツーのセリフが強烈なインパクトを持つときがあります。


<その1>


私が大学院に入りたての頃、
親睦を深める意味合いか、
昼食をご馳走してくれる機会がありました。


B定食が2種類用意されていたその日、
食券を握り締めた教授が、
厨房のおばちゃんに手渡すときに一言いいました。


「おさかな!」


某人気女性声優が同じセリフを言ったら、
その後ラジオやらCDでタイトルとして使われたくらいの単語なんですが、
それを教授が発したときのインパクトときたら、もうね。


<その2>
「おさかな」の一件を同研究室のhimegumaさんに話したところ、
同じニュアンスで聞かされた話。


土曜日で人がいないと思われた研究室にやってきたhimegumaさんは
前日置き忘れていったデータや資料の回収を済ませた後、
つけっ放しにしていた研究室の明かりを落としていくことにしました。


ところが出入り口で一つ一つスイッチを消して言ったところ、
角の区画を照らしていたライトが消えた瞬間


「消さないでー!」


教授がお仕事中だったのです。
この話を聞かされて以来、
研究室の明かりに限らず、
”スイッチを切る”という行動のたびに


「消さないでー!」


・・・と言うのが研究室で流行。
繰り返して言ううちに歪んできたため、
皆がやたら悲痛な感じで言うようになりました。


<その3>
先日のコミティアに出した本の中から、
キャベツ太郎ネタ」だけを取り出して、
机近くの壁に貼っていたら、
これまたhimegumaさんがキャベツ太郎の大きいサイズを買ってきてくれたので
漫画と一緒に画鋲で貼り付けておきました。


賞味期限に余裕があったので、
しばらくそのままにしていたら、
先日、私が不在のときに教授が私の机がどこなのかを訪ねてきたらしく、
おおまかな場所をそのとき在室だった後輩が説明したそうです。


すると・・・


「キャベツのところね!」


私の机は紅髪の席である前に、
「キャベツのところ」になってしまいました。


キャベツ太郎のところ」じゃないんですか、教授。