紅髪VS原稿用紙


原稿用紙に苦手意識がある話を以前書いたのですが、
当時の心境はいまだに覚えていて、
「とにかく何でもいいから文字数を埋めるだけ埋めて、
後からいい部分とかを選んで書き直せば、
むしろ早くていいものができるんじゃないか」と
埋まらないマス目を眺めながら考えていました。


それがあながち間違いではないと気づくのはだいぶ後になります。


まず、ワープロソフトの存在と出会うのが第一段階で、
書き直しを一からせずに済むという、便利さに気づいたことが大きいです。


後から書き直すのなら、
一節でも書けたのなら残しておくべきですが、
原稿用紙に鉛筆で書いた場合、そうはいきません。
書いては消し、詰めてはまた書く、という手段をとらねばならないため、
場合によってはそれだけで疲れてしまいます。
(消しゴムのカスや鉛筆の汚れでなんだか嫌になってしまうことだってあります)
その懸念が無くなっただけでモチベーションの継続時間が大きく違いました。


第二段階としては・・・
結局のところ「慣れ」と言わざるを得ません。


自主的にせよ、強制的にせよ、文章を書く機会が増え、
文字数的にも枚数的にも、上限があがってくると、
1200字、原稿用紙3枚、なんていうのは
実にわずかな文章量であると気づきます。


学校の先生や、親はそれを体験してきているだけに、
大したことはないと言っていたのでしょうが、
当時の自分にそれを理解することは到底無理な話です。


もっとも、段階を経るという意味では、
当時でも原稿用紙1枚ならすんなり埋めることができていたので
それがランクアップするだけだと気づいていたら、
あるいは割り切って書けていたのかもしれません。