浪漫飛行


相変わらず日記らしくない紅髪の日記。
今日取り上げるのは一週間前の話です。


ちょうど一週間前というと・・・


11月3日は文化の日
その始まりは日本国憲法の公布を記念して設定された祝日です。


もっとも、毎年そんなことに思いをはせることなどなく、
休めて嬉しいな、程度のものだったわけですが、今年は一味違いました。


前日の深夜にしゃかもさんからこんな連絡がきました。


しゃかも
「明日、入間にいきませんか?」


分かる人はもうそれだけで気付くでしょうが、
この日は入間航空自衛隊が基地を会場にした、
「航空ショー」を開催しているのです。
・・・私は軍事関係にまったく興味がなかったので、
何が目的なのかさえよく分からなかったわけですが、
電話して詳細を確認してみると・・・


しゃかも
ブルーインパルスが見られますよ」


自衛隊にまったく興味の無い私でも
”青い衝撃”と名付けられたその曲芸飛行は耳にしたことがありました。
テレビや写真ではなく、その目で一度見てみたいと思っていたので、
すぐに承諾しました。
イベント参加の慎重な紅髪にしては異例のスピード決定です。


せっかく即決したのですから、
翌日のために準備を整え、体調を考えてすぐにでも就寝・・・すべきなのですが、
実際はその電話の後、


一睡もせずに夜を明かし


1000円しか入っていない財布をもって家を出て、


駅近くで携帯電話のバッテリーが切れそうになっていることに気付く、


・・・というバカっぷり。


さすがに電車賃だけでヒィヒィ言うようでは
しゃかもさんに怒られ・・・もといあきれられてしまうので、
お金をおろしてから待ち合わせの西国分寺で合流しました。


さて、入間基地で我々を最初に迎えてくれたのは、
自衛隊トラックの荷台に乗った「ミス○○」の方々。
しかも一台につき一人の「ミス○○」。
気の毒なくらい晒しもの。
さらに、会場まで一緒に歩いていたオバサンの一言が駄目押しです。


「着物が綺麗だったわね」


さいたまのミスコン事情に栄光あれ。


そんなこんなで会場入りすると飛行機がずらりと並んでいて、
いよいよ航空ショーっぽくなってきました。
見渡せばブルーインパルスも6機が待機しているのがわかります。
柵が設けられてはいるものの、
普段見上げることくらいしか見る機会のない飛行機だけに感激です。
ひねくれものの紅髪にしては珍しくはしゃいで見てまわりました。
機体ごとにしゃかもさんが解説してくれたおかげもあって、
どれも皆魅力的な飛行機に思えました。


ただ・・・
少なからずショッキングだった解説がいくつか・・・


ブルーインパルスは入間基地の所属じゃない


入間基地は基本的に輸送機しか置いてない


入間基地にしかない機体の積載量が微妙


入間基地に栄光あれ。


確かに地味といえば地味なラインナップで、
午前中は入間基地所属の機体が飛行を披露してくれたのですが、
機体の傾け方に限界を感じるというか、
なんとか腹を見せようとしている魚みたいな飛び方が多かったのは事実でした。


それでも輸送機からの連続パラシュート降下は壮観でしたし、
輸送機ながら自在に飛び回るヘリコプターの
操舵アピールは中々見ごたえがありました。
まあ、そのヘリと例の輸送機が積載量で同等だと聞かされたので、
入間オンリー機体の輸送機が微妙に思えたわけなのですが。


ヘリコプターといえば、よくホバリングによって
滞空したまま地上の人間を収容するシーンを見かけますが、
目の前で実演されるとなかなか迫力がありました。
あっという間に人二人が収容されるの様は実に鮮やかなものです。
一度お世話になってみたいと思いました。


ついでにどうでもいいことなんですが、
格納庫に「入間ヘリコプター隊」というペイントがされているのですが、


微妙なフォントのせいで「人間ヘリコプター隊」
・・・に見えます。


「人間ヘリコプター隊」 ×
「入間ヘリコプター隊」 ○


ちなみに別な倉庫を見てみると


「隊」 としか描いてない倉庫などもあって、
ちゃんと識別できているのか不安です。


立ち見で実演観覧、歩き回って機体観覧し終えると、
さすがに足にも限界がきましたが、
そこはさすが用意周到なしゃかもさん。
ランチシートを持ってきてくれたので、
座ってブルーインパルスの飛行開始を待ちました。


・・・ここまで語っておいて
写真が一枚も無いのを不満に思われるかもしれません。
それはもちろん私がまったく用意してなかったからなのですが、
ただ・・・


ブルーインパルスの飛行に関しては、


一度直接見てみろ


・・・そう思います。
ハッキリ言って写真とか、ビデオとかでは
迫力がまったく伝わりません。


さらに言うなら、最初のうちは疲れて座っていた私が、
急上昇の瞬間に思わず立ち上がってしまったくらい、爽快感があります。
その後、脚がついていかなくて何度も膝が笑っていたので
隣にいたしゃかもさんや周りの人から見ると、
ものすごくアヤシイ動きをしていたと思いますが、
興奮の度合いが前半の輸送機と段違いでした。


気がつくとものすごい観客が集まっていたのですが、
ショーの終了後、
帰りの人ごみの中、家族連れが多いことに気付いて
「これをきっかけにしてパイロットを目指そう」という子供が
きっといるだろうな、と思いました。


11月3日、文化の日に、
どうして軍事関係のイベントを開催するのか、
ずっと疑問だったのですが、
子供達が大空に対して抱いたロマンは
いつか文化に貢献するであろうと考えれば、
あながち間違いでないのかもしれません。


しゃかもさん、あらためてお誘いありがとうございました。