揺るがない自信


新潟・中越震度6強の地震があったことで、
テレビでも特番が組まれたりと、だいぶ大変な状況ですが、
この地震があったとき、私はたまたま都心にきていました。


・・・例によって秋葉原だったわけですが、
よりにもよって、プライズグッズの取り扱い店で
揺られることとなりました。


秋葉原はともかくプライズショップに行ったことがない方は
どんな店なのか分からないかもしれませんが、
簡単に言うなら「食玩の専門店」です。
厳密に言うとガチャガチャや、ゲームセンターの景品も扱っていたりするのですが
それらの総称が「プライズ物」というわけです。


食玩というと昔はカードやシール、もしくは子供向けのおもちゃが主流でしたが、
今はむしろ大人をターゲットにした、ミニチュア・フィギュアがメイン。


私が訪れていた店も、
山積みされた食玩の箱に、ところせましと並べられたフィギュア、
そして壁にはびっしりとバラ売りの小袋が貼り付けられていました。


そんな中での地震


商品揺れまくりです。


さすがにお客の中には思わず声を上げる人がいました。
・・・もっとも、その程度のことは
買い物中なら、どんな店でも想像できそうな範囲のリアクションです。


しかし、そこは秋葉原
客はともかく、マニアタウンに店をかまえる連中のリアクションは一味違います。


店員A
「私の平衡感覚がおかしいわけではないでしょうか?」


店員B
「いやいや、揺れていますよ、地震です」


店員A
「いやあ、この揺れだとフィギュアが降ってくるかもしれませんなぁ」


店員B
「それはある意味殉職というべきでは?」


店員A
「趣味で命を落としたくはないものです」


店員B
「ははは。いやいや、一応仕事中ですし」


店員A
「ではお客様がフィギュアに埋もれる前に避難誘導を」


店員B
「お、それは頼もしい」


何かもう、頭が痛くなりそうなやりとりです。


そもそも会話の出だしで、素直に地震のゆれに触れず、
「私の平衡感覚がおかしい?」などと遠まわしなことを言う点が
ヲタクっぽいというか、なんというか。


もっとも、秋葉原で買い物する際は、
少し耳をそばだてるだけで似たような会話を聞くことができるので、
いちいち反応していられませんが、
被災地域の人たちに聞かせたら恨まれそうな内容です。


ちなみに店員連中は
簡単に倒れるようなディスプレイをしていないからこそ
余裕をかましているわけで、その辺はさすがプロと言うべきなのですが、
逆にそういうところがヲタクの嫌われる理由なんでしょうね。