しつけ


さすがに二十歳も中ごろとなってきますと、
まわりには既婚者や子持ちの知り合いが出てくるわけですが
私自身が結婚や子供を持つかどうかはともかく、
同じ年齢の人間が教育やしつけというものを
どのように考えているのかは少なからず気になったりします。


裏を返せば、そのあたりの責任や自信がないからこそ、
独身でいるという部分も多々あるわけですが、
世の中を見渡せば、そんな覚悟もなしに親になった人間はたくさんいるので
むしろなってから培う心構えなのかもしれません。


しかしながらやはり親になったときに
手本となるのは自分の親であると思います。


散々ネタにしてきた私の家族ですが、
特に我が母上はハタチで結婚しているので、
もし私が既に結婚していたら色々聞いていたのではないかと思います。


・・・もっとも、
私が幼少期を思い出したときに
しつけや教育の分野においては父親の印象が強いので
子供に対する接し方は、父を参考にするのではないでしょうか。


私の知り合いには何度か話したことがあるのですが、
私の父は物事に対して「白黒ハッキリさせろ」という事が多く、
明確な理由や「けじめ」にこだわる人でした。


体調不良で学校を欠席するときは
発熱しているか否かが判断の基準であり、
頭痛や腹痛等では決して休ませてはくれません。
最近でこそ「鬱」をはじめとした、
精神疾患が病気の一種としての認識が広がりつつありますが
少なくとも私と弟に関しては心の病を病気として認識することなど
絶対にありえないことでした。


そんな父の育て方がよかったのかどうかはわかりません。


大学に合格して上京することが決まった頃、
果たして父の教育方針は正しかったのかどうか、
父自身にたずねてみたことがあります。


紅髪
「世の中は白と黒にハッキリさせられないことも
たくさんあるんじゃないかと思うんだ。
それはもしかすると私が未熟で、判断できてない可能性はあるけど、
少なくとも今まで生きてきた中で、そう思ったことは何度もあったよ」



「そんなことあたりまえだろう。
世の中、白黒で割り切れていたら苦労しないぞ」


紅髪
「( ゜д゜)ポカーン 」



「はっはっは。大体、子供にそんな微妙な話をして通じるわけないじゃないか。
あとは実際に身をもって学べばいいんだよ」


実際に身を持ってそういう事態を経験していても
「物事に対して白黒はっきりさせることが出来ないのは私自身が未熟であるからだ」
・・・と考えて生きてきた私は唖然とするしかありませんでした。


今でこそ妥協という「灰色の選択肢」を覚えた私ですが、
可能な限り白黒つけようとするため、
よく私の行動は「極端」だとか「無謀」だとか言われます。


幸い私は今の自分が嫌いじゃないですし、
教育に正解なんてものはないんでしょうが、
責任が重大だということだけは分かりました。