「第2回 満腹感」


キャベツ大好き発言を繰り返してきた紅髪は
何も調理せず、切り分けて、
ただかぶりつくだけでも幸せを感じることができるほどですが、
さらに無類の食べ放題好きとなれば、
勘のいい人はそろそろこんな疑問がおもいつくのではないでしょうか。


「トンカツ屋のキャベツおかわり自由はどうなのか」


もしかすると、
むさぼり食う姿が容易に想像できてしまうので
わざわざ考える人がいない可能性もあります。


しかし残念ながら紅髪は「トンカツ屋のキャベツおかわり自由」を
あまり利用しません。

何かしらの食べ放題を探し出すより、
この手のトンカツ屋を探すことは確かに楽です。
そういう意味では候補に入りやすく、
それだけに意外に思われるかもしれませんが、
私の利用頻度が低い理由は千切りキャベツそのものにあります。


私は以前もキャベツの千切りが好きだと述べたことがありますが、
あれは正確に言うなら、
「人間が刻んだ千切りキャベツ」を指していました。


私はトンカツ屋で働いたことが無いので
あの「おかわり用キャベツ」がどのようにして作られているのか
確認したわけではないですが、
トンカツ屋のキャベツというのは、
たいてい人間の手では実現が難しいほど細く、
そして均一に刻んであります。
カンナ削りの職人ならぬキャベツ刻み職人がいて、
あの細さを実現しているという可能性が無いとはいいませんが、
ほぼ機械と見て間違いないでしょう。


細切りすることによって、
芯でも柔らかい食感を得ることができるので、
芯を無駄にしなくて済むようになり、
さらに体積が増えて見た目のボリュームも大きくなる・・・と
店側にとっては一石三鳥の手法なのですが、
これは食べる側、それもお代わりする人間にとっては
かなり足かせになってきます。


基本的に体積が多くなると同じ質量のキャベツでも
口の中へ運ぶ回数を増やさねばならなくなります。
必然的に噛む回数が増えるので、処理に時間がかかってしまうのです。

お代わり自由=早食いではないですが、
体は時間をかけることによって満腹感をえてしまいますので
後々回数をこなすのが困難になってしまいます。


さらにキャベツは繊維質なので、
よく噛まなくてはならないのですが、
噛む回数が増えるとそれだけ満腹感を刺激しやすくなります。


節約のために食費を削っているとか、
ダイエットのために食事量を減らしているとかいうのならともかく、
自炊するよりはるかに高いお金を払ってモノを食べにきているのですから、
わざわざ満腹感を刺激してやるのはナンセンスです。


故に大好きなキャベツといえど、私は積極的な利用をしません。
もっとも、最近は「ご飯おかわりも自由」という店が多いので
少し見直しの余地はあるかもしれません。