エアコンをめぐる攻防


この夏、弟の部屋に
新しくエアコンを取り付けたのですが、
それはもともとあった古いエアコンが故障したからでした。


当然ながら新しく買い換える前に、
修理が出来ないかどうか確かめようと思い、
私の部屋のエアコンを購入したコジマ電機に問い合わせたところ、
出張費と直せる場合は程度によって修理費用がかかるだろうという説明でした。


比較的すぐに業者はやってきてくれました。
カバーを取り外して、
中を点検してもらうと老朽化による故障だということでした。
これがどこまで本当かは素人目に分かりません。
しかし、修理するのにかかる費用は
だいたい2万円を越えると告げられました。


どうせ2万円もかかるのなら、
新しく買い換えた方がいいというもの。
修理は依頼するのをやめました。


するとこの業者さん。
出張費も請求しないまま帰ってしまいました。
『修理しなかったので出張費もかからないということになるのかも』と、
兄弟で一応の納得をしました。


・・・ところが、
数日後、請求書が来ました。
内訳は以下のとおり。


出張費・・・・2000円
技術工料・・・3900円


出張費はまあいいとしましょう。
しかしなんですか、この「技術工料」って。
胡散臭い上に出張費の倍額です。
修理したわけでもないのにこの請求は納得いきません。


そんなわけで・・・


ゆけ!クレーマー!


まずは請求元に電話して、

1.料金請求の説明がなかったこと


2.「技術工料」の説明が不明であること


この2点を問いただしてみました。


結果は・・・


「上司に確認してみますので・・・
返事が遅れますが追ってご連絡いたします」


細かいやり取りは読んでも気持ちよくないでしょうから割愛ですが、
途中から応対の態度が変化、クレーム係特有の「あしらいモード」になりました。
前述の台詞は決り文句にして魔法の言葉なんでしょう。


いつ来るか分からないような返事を待つ気はないので、
さっさと次の手に出ます。
「消費者生活センター」に電話です。
よく悪徳商法に引っかかったときにその名がよく出る、
クーリングオフなどの制度に詳しい相談窓口です。


事情を一通り説明した結果、
「業者の手配をした電気店に詰め寄ってみてはどうか」
・・・ということになりました。
クレーム係が悪い意味で相手のあしらい方に慣れているとするなら、
消費者生活センターの相談員はいい意味で対応に慣れている気がします。


そんなわけでコジマ電機に電話して、事情を説明。
説明不足の責任を問う形でプレッシャーもかけてみると・・・


「では一度私どもコジマ電機から直接業者に確認した上で、
そちらにご連絡させていただきますので、
一度電話をおきりになって少々お待ちください」


このあと10分もしないうちに業者から連絡がきました。


「技術工料とは、点検費等をすべて含めたものを指しておりまして、
項目が別になっていますが、
出張費2000円と技術工料3900円の合計額が、
一度にお伺いした際の最低請求額になっているんです。
表記が分かりにくいということや説明不足の点は、
今後改善の対象としていきたいと思います」


・・・とまあ、こんな感じの説明でした。


そもそも別に払えないからゴネたわけでもなければ、
クレームをめぐるやり取りに勝つことを目的にしていたわけでもないので、
きちんとした説明が得られた結果としてお金は振り込みました。


すぐに連絡が来たこと、
きちんと金額を把握していたこと、
改善されるかどうかはともかく、その姿勢を示してきたこと、
これらに好印象だったことも、決断に一役買っています。


所詮「お客様相談窓口」は「お客様相談窓口」でしかなく、
きちんとした担当者を引っ張ってこないと納得は得られないものです。


結局、払ったため、
ネタとして取り上げるにはオチが弱いような気もしましたが、
クレーマー紅髪も常勝ではなく、
こういう場数を踏んだ上で高い勝率を誇っているということで、
今回取り上げてみました。


3900円の価値があるかどうかは微妙ですが。