「街の小さな電気屋さん」

「街の小さな電気屋さん」ですよ「街の小さな電気屋さん」


地方に住んだことのある人、
もしくは田舎の街を訪れたことのある人なら
一度は目にしたことがあると思うのですが、


「街の小さな電気屋さん」


その存在を疑問に思ったことは無いでしょうか。
確かに店先の看板には見覚えのある、
「ナショナル」「サンヨー」「TOSHIBA」・・・の看板がついているのですが、
ハッキリ言って商売する気があるとは思えない狭い店内と
数は無くても種類だけはたくさんある家電の数々。
しかしそれらには目立った値札がなく
売るつもりがないのではないかと疑いたくなります。


はたしてあれでやっていけるのでしょうか?


・・・結論から言うと、
一応成り立つのだそうです。


「街の小さな電気屋さん」には
心強い常連のお客がおり、
それはほとんどの場合お年寄りで、
家電のトラブルがあれば迷わずそこに電話して、
直る見込みがないといわれれば、
何のためらいもなくそこから商品を買い、
次のトラブル時にもすぐ駆けつけてもらえるようにしておくのです。


私はその単純明快なしくみに気付かなかったため、
長年疑問だったわけですが、
それもそのはずで、
この発想は大型量販店をめぐって最安値の家電を見つけ出す私などとは
対極にあるといってもよい考え方で、
ハッキリ言うなら金に糸目をつけないものなのです。


数年後には日本のTV番組は完全にデジタル化され、
今のテレビでは普段の番組すら見れなくなるわけですが、
そのとき一番大もうけするのは
「街の小さな電気屋さん」かもしれません。


昔は「この電気屋、よくつぶれないよなぁ」
・・・などと考えながら店の前を通ったものですが、
多分まだしばらくは安泰なのでしょう。