簡潔に書くか、詳細に書くかの葛藤

blogを持っている人なら一度は
要点を把握してもらえるよう、
簡潔で分かりやすく伝えたいという気持ちと、
持ちうる情報は出し惜しみせず、
詳細なところまで伝えたいという気持ち、
その葛藤にもだえた経験があるのではないかと思います。


その葛藤の末に選ばれた選択については、
十人十色の理由があることでしょう。
どちらの気持ちを優先するのが正解か、という話ではないので
絶対の正解はありません。


だからこそこういったテーマに関する考察を読むのが私は好きですし、
もちろん自分の選択についてもここで何度となく書いてきました。


そもそも葛藤が起こる理由、
それはもちろん絶対的な文章量にあります。


前者を優先した場合「短く」書くことになり、
後者を優先した場合「長く」書くことになるわけで、
単純な話、両立ができないことだから葛藤が生まれているわけです。


この問題、本当に両立できないことでしょうか?


・・・という問題提起をして、
「いい文章」とされる例をあげる展開はよくあるのですが、
それは大抵”詳細なところまで、簡潔で分かりやすく伝える”という、
いわば『いいトコどりをするにはどんな工夫があるか』という話になります。


しかし、それだと結局
前者寄りの選択について述べたことになるのです。
最終的に出来上がる文章の理想形態は「短く」書かれたものになるのですから、
「両立」していないではありませんか。


まるで子供の揚げ足取りみたいな指摘です。
しかし、これを実際に実践している例が
見慣れたところにありました。


ポータルサイトのニュースページです。


MSNでもyahooでもどこでもかまいませんが、
ポータルサイトのニュースを見る場合、
基本的に以下の3段階に分けて情報を獲得しています。


第1段階
TOPページでニュースの見出しが目に付く


第2段階
見出しをクリックして、ニュースの要約・概要を読む


第3段階
さらに興味を持った場合「全文を読むor続きを読む」をクリック

速報性が重要視されるトピックスに関しては
見出しの一文で書かれていることだけだったりもしますが、
基本的には情報の詳しさによってページが異なっています。


こういった、ポータルサイトのニュースページと
一般的なblogを比較すれば明らかですが、
本当に「簡潔さ」と「詳しさ」を両立させたいのであれば
それぞれ別々に書くべきなのです。


実際、blogのシステム自体は
それを実行できる構造になっていますし、
意識的にせよ、無意識的にせよ
殆どの人はそれを少なからず活用しています。
例えば一番分かりやすい例としては・・・


「その日書いた内容にタイトルをつける」


・・・などが挙げられます。
これは前述した、ニュースページの「見出し」を作っているようなものです。


さて、あらためて今回取り上げたネタを考えてみます。


「簡潔で分かりやすく伝えたいという気持ちと、
詳細なところまで伝えたいという気持ちの葛藤」


私は、この葛藤を解決できる、絶対の正解は無い、と冒頭で述べましたが、
もしそれでも正解が欲しいと言われたら・・・


第1段階
一言で内容を言い表せるタイトルをつける


第2段階
簡潔に要約した内容から書き始める


第3段階
詳細にわたって書く


・・・このように答えるでしょう。


全部やるのは実にめんどくさいですよね?
ポータルサイト運営の一部として、
それを仕事に給料もらわないとやってられないですよね?
どれかに絞りたいですよね?


私もそう思います。


こんな私はおとなしく
簡潔で分かりやすく伝えたいという気持ちと、
詳細なところまで伝えたいという気持ち、の間で葛藤して、
最終的にどっちかを選んでしまうのがお似合いじゃないかと思います。