原作モノが多い昨今に思うこと


先日、aveさんとチャットをしていて、
今期のアニメにライトノベル原作が多い、という話題になりました。


aveさんは「気にいったら原作を買って読むかもしれない」と、
すんなりコメントしていましたが、
果たしてどれほどの人がそう言うことができるでしょうか。


活字媒体がメインの作品が
アニメーション化されるというのは、
同じアニメーション化でも
漫画原作のそれに比べて視覚化される意味合いが大きいと思います。


小説のほうを既に読んでいる人は、
自分が想像していた作中の出来事や世界と、
実際に映像化されたものの比較することができるでしょう。
それは往々にしてギャップを生じさせてしまうため、
酷評につながってしまったりもするのですが、
作品としての評価はともかく、比較しながら見れたことは
ある意味「楽しめた」と言うことができます。


しかし、その逆、アニメを見た後に原作を読む場合はどうでしょうか。


私は少なくとも、ビジュアルのイメージが
アニメ放送されたときのビジュアルで固定されるし、
ヘタをすると、セリフの部分が声優の声で頭の中を駆け巡ったりします。


映像化される部分と言うのは、
必ずしも全てではないので未映像化のエピソードや
放送終了後の発表部分に関してはその傾向が薄れますが、
映像化された部分のエピソードについては
それはそれは鮮明に再現されてしまったりします。


そんなものですから、私のような人種は
「いったいどこから原作を読んだらいいものか」と迷ったりします。


普通に考えれば第1巻から読めばいいわけですが、
前述のとおりの再現性が発揮されると、
読むのが非常にかったるくなります。
変な話ですが、一度も読んだことのない小説を
一度読んだことがあるような感覚で読まねばならないのです。


・・・もちろん、映像化されるにあたって
省かれてしまった部分を探しながら読むと言う方法もありますが、
やもすると、その違いを探すためだけに一冊読むことになってしまい、
なんだか非常に窮屈な思いをすることになってしまいます。


それはそれで「楽しめた」と言えなくもないのですが、
視聴じたいは実質タダのTVアニメと違って、
小説のほうはお金を払って読んでいるため、どうも釈然としません。
身も蓋も無いことを言うなら、
「他のエピソードから買い始めるか、
いっそ別の小説を買ったほうがよかったのではないか」というわけです。


同じ原作をアニメ、ゲーム、小説、WEB、と
幅広く展開するメディアミックス戦略のポイントは、
まさにその辺の心理を突いているものだと分かってはいるのですが、
いまひとつ釈然としません。
一種のコレクター精神で、それらを全てカバーし、
細かな違いまでを把握してみるのもアリだとは思いますし、
実際、ハマった作品に関してそうなることは経験にもあるのですが、
それがいかに大変であるのかも経験がある身としてはなかなか踏み出せなかったりします。


そういえばaveさんはこんなことも言っていました。
「最近のライトノベルブームには・・・正直乗り遅れたかな」


もしかすると私の懸念は、
そんなブームに乗り遅れた悔しさから来るものでしかないのかもしれません。